「48テ」クソヤロー日記

誰かに共鳴してほしい。切実に。

ギャルの瞳に僕が映る瞬間。(前編)

 

f:id:hand48:20200319014907j:image

 

「ギャル エロ」。

いまだに検索ネタとしてこのワードだけは高校生くらいから変わっていない。

絶対に仲良くなれない自信しか湧かないし、むしろ関わりたくないのだが、だからこそ憧れや想いを寄せてしまうのかも知れない。

しかも何故か学生時代のギャルはヒエラルキーの上位に位置している。

実際、私の中学時代にその学校で逆らってはいけない存在のギャル女がいた。名は黒木。染めた金髪をなびかせて折り込まれて短くなったスカートとデコレーションや落書きが施されたセカンドバッグを背負い込む姿が印象的な黒木は、学校では知らないものがいないギャル中学生だった。

口が悪く、「死ね、殺す、バカ」が口癖だった彼女に逆らおう者はイケイケグループからはぶかれ、惨めな日々を送らなければならないほど彼女の存在はその時、教祖や神のような存在だった。

そんなギャルこと黒木と初絡みしたのは中学3年で初めて同じクラスになった時。

その日は合唱コンクール前日で、クラスが一丸となって練習していた時、みんなで円陣を組んで士気を高めることになった。円陣で盛り上がったヤンキー組のメンツがその勢いのままハイタッチをし始め、黒木もそのテンションでハイタッチはしていたが私とハイタッチをしようとした際ギリギリでハイタッチを避けられた。

そして一言「ごめん。お前とはなんかハイタッチしたくないわ」と遠回しに「生理的に無理」並の罵りを受け学生時代の思春期な私はショックを隠し切れず、絶望に打ちひしがれていた。

そんな私にさらに追い討ちをかけるように「何ショック受けてんだよ。気持ちわりーな。死ねよ」と言ってきたのである。

特にこちらから何かをしでかしたわけでもないのに向こうの都合で罵倒された挙句、彼女の口癖「死ね」まで炸裂し、私の中学最後の年が菊色に染まることが確定した瞬間だった。

その日は朦朧としたまま自宅に帰ったのだが、黒木に触ることさえ拒否されたショックが頭から離れず、なりふり構わず家族にお願いして「ハイタッチしてくれない?」とお願いして彼女とのハイタッチを補うがごとく家族と空虚に手と手を合わせて触感を感じるのであった。

絶対に話すことも触れることもできない教祖や神のような存在「黒木」の瞳には私のような存在は触るのも嫌なくらいの虫や生き物となんら変わらないものに見えているに違いない。きっとそうなのだ。

そんな黒木からまさかあんなことをきっかけに私という存在価値が光り輝くとは。