別府温泉殺人的な事件
ああ。後悔というものはどうしていつも後から押し寄せてくるのだろうか。
私の実家は九州大分県別府市で取り分け温泉で有名な地域として県外からは支持されている地方の出身なのですが、長年住んでいたせいかその有り難みというやつを全くもって感じていなかった。
むしろ坂道が多いは、夏は暑い、冬は寒いで全然いいとこなしといった印象しかない。そんな想いのまま高校時代の18年間をここ別府で過ごしそこから福岡を2年。そして東京に来て7年目となるわけだが、しみじみ思う事は東京の温泉は値段が高過ぎる!
そもそも大した施設を完備しているわけでもないのに500円以上もするのはさすがに呆れてしまう。別府の風呂は1回100円のところはざらであるし、無料温泉だってあった。まぁ混浴も多いけども。そして健康ランドに関しては2000円以上するような場所もあり関東屈指の温泉郷箱根、熱海は割とこの値段するような温泉も多い。こんなところで温泉に入るのもいいかもしれないが地元のハイレベル温泉と比べてしまうと非常にやるせない気持ちになってしまう。
今思えば、やはり別府の温泉というものは日本屈指の最強温泉郷だったことをあらためて理解した。
たまのたまに地元に帰郷することがあって、地元に住んでいる同級生たちと遊ぶとき、普通なら「飲み会」になりがちなところ、「温泉」というワンクッションを入れてから飲み会になることが多い。これが地元の遊び方。むしろ地元に住んでいる同級生たちはボーリング、ダーツ、ビリヤード、麻雀、カラオケ、ドライブといった遊びはもう遊び尽くして、たまに帰ってくる自分のような県外に住むやつらを捕まえては温泉に入り浸るしかないそうだ。
今回も飲み会になる前に温泉に行くことになったのだが、その日同級生たちが連れて行ってくれたのは「紙屋温泉」。
かなり古くからある銭湯でなんの疑いもなく入浴料100円を払い同級生たちと裸一貫になって湯船に入る。
なぜか同級生たちが「先に入ってくれ」と謎のオーダーがあったので久々の温泉を楽しむように思いっきりダイブした。
「!?」
熱い!!!!熱すぎる!!!!
皮膚が赤く染まる速度が尋常じゃない!!
熱さのあまり早く出ようとするが焦って足を滑ってしまい余計に潜り込んでしまった。
頭まで被ったお湯は髪の毛一本一本に電流が流れたかのような刺激が加わり痛みを越えてくる!!ダチョウ倶楽部の上島竜兵なみのリアクションをとりながら風呂から上がり倒れ込む。
どうやら同級生たちが最近ハマっている遊びらしい。この「紙屋温泉」は源泉が52℃で別府でも屈指の熱い銭湯だったみたいだ。
その温泉に何も知らない友達を連れてきてはお風呂に入らせてリアクションを見るのが楽しいらしいが入浴したコチラとしては腹立たしいことこの上ない!!
まさに殺人的熱さ!
これだから後悔というものはどうして後から押し寄せてくるのだろうかと改めて思う。
そして地元に帰っては毎回こう思うのである。
「やっぱり温泉しかねぇなここは」と。